自由帳ミニブログ。感想・日記・雑念など。
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#まほやく
パラロイでオーエンがいる前で彼を作ったことを間違いだったと話す大人たちに対してカインが我が事のように怒鳴ってくれるところと、「俺はこいつを保護する。人間の権利を守るのが俺の仕事だからだ!」ってセリフが好きで好きで大好きでスクショを見返すだけで泣いてしまう。

中央の自分の力を他人のために使うことを当然の使命と考える尊い性質を気高くて遠いものというより身近であたたかな炎のように感じられたし、『人間としての権利を守られる』って人間ではないけれど心のある『子ども』のオーエンが今まで守られた経験どころか顧みられたこともなかったもので、それを鑑みて守ってくれる『大人』がオーエンの前にあらわれてくれたことによかったね…って気持ちがあふれてしまって泣けるのだと思う。どれだけの子どもがそんな大人と出会えるだろう。本来そうあるべきなのに、全然普通じゃなくなってしまったことだから。カインに対して『子どもの夢を守る人』という印象が強い。

パラロイのカイン、本編の閉じ込められて助けてくれる誰かを待ち続けていた頃のオーエンが終ぞ出会えなかった『(当時のオーエンが思い描いていたような)騎士様』のような気がする。騎士様が迎えにきてくれたifがパラロイと考えると、パラロイのオーエンの無邪気さ純粋さにはたまらなく切なく感じるものがあります。

ただ同時にパラロイは本編のオーエンの性質を否定もせず、ラストの現実のシーンではオーエンの性質を個性であり自ら望んで行う意思表示であり、自己責任でもあると描かれているように感じます。その一方で世界に理不尽に傷付けられて助けてもらえなくて世界を呪ったオーエンも現実に存在している。

それらの片方だけを注視していては見誤りそうな存在がオーエンで、その両輪をもってオーエンというひとりのキャラクター…ということだと受け取ったうえで、あらためてパラロイを好きな物語だなあと思い返します。
感想